- 肩こりが起きる原因とは?
- ただの肩こりじゃないかも?見逃したくない症状と3つのタイプ
- あなたの肩こり、どれくらいつらい?セルフチェックで重症度を確認
- つらい肩こり、今すぐできるセルフケアで少しでもラクに
- 「ただの肩こり」と思わずに。受診が必要なサインとは?
肩こりが起きる原因とは?
日本人に肩こりが多い理由
肩こりは、まさに「現代病」ともいえるほど多くの方が悩まれている症状のひとつです。
特に日本人は、頭部が大きめで首や肩の筋肉が細いため、構造的に肩こりを起こしやすい傾向があります。
当院にも、「昔から慢性的に肩がこる」「仕事中ずっと重だるい」といったご相談が日々寄せられています。
実際、厚生労働省の調査でも、肩こりは女性の自覚症状で1位、男性でも2位と非常に多い症状です。
とくに40代以降は、骨や筋肉の衰え、血流の低下なども重なり、症状が慢性化しやすくなります。
肩こりの原因は人によって異なりますが、以下の4つが主な原因としてよく見られます。
- 長時間の同じ姿勢
- 眼精疲労
- 運動不足
- ストレス
また、最近では「血圧」との関係も注目されています。以前は低血圧の人に多いとされていた肩こりですが、高血圧の方でも訴えるケースが増えてきました。
肩こりは体質や年齢だけでなく、日々の暮らしの中に原因が潜んでいることが多いのです。
ただの肩こりじゃない?見逃したくない症状と3つのタイプ
「肩が重い」「首が張る」といった症状だけでなく、肩こりがひどくなると、以下のような全身症状が出てくることがあります。
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 集中力の低下
- 目の疲れ
- 全身の倦怠感
- 腕や手のしびれ
これらの症状が出てきた場合、単なる筋肉疲労ではなく、何か別の原因が隠れている可能性も考えられます。
肩こりにはいくつかのタイプがあり、原因によって対処の仕方も異なります。以下の3つに分けてご紹介します。
生活習慣が原因の肩こり
長時間同じ姿勢でパソコン作業をしたり、運動不足が続いていたりすると、血行が悪くなり筋肉がこわばりやすくなります。
また、ストレスや眼精疲労も自律神経を乱し、肩こりの原因に。
当院にも、こうした日常習慣が積み重なって肩こりが慢性化している方が多く来院されます。
対策
姿勢の見直しやストレッチ、こまめな運動、目の休憩を意識することで、血流が改善し、症状の緩和が期待できます。
整形外科の病気が隠れている肩こり
肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)や腱板断裂といった肩まわりのトラブル、頸椎症や椎間板ヘルニアといった首の疾患でも、肩こりの症状が出ることがあります。
放置してしまうと痛みやしびれが悪化するケースもあります。
対策
整形外科での診断が必要です。リハビリや薬・注射治療など、原因に応じたケアを受けることで改善につながります。
内科的な病気が原因の肩こり
意外に思われるかもしれませんが、内臓や血管の病気が肩こりの原因となっていることもあります。
たとえば、脳動脈瘤・狭心症・心筋梗塞・糖尿病・胆石症などは、肩こりに似た症状を引き起こすことがあります。
こうしたケースでは、肩の痛み以外にもしびれ・息切れ・倦怠感など、他のサインを伴うことが多いです。
対策
早めに内科や循環器内科を受診し、必要な検査や治療を受けることが大切です。当院では両方の視点から診療を行っております。
あなたの肩こり、どれくらいつらい?セルフチェックで重症度を確認
「最近ずっと肩が重い…」「昔よりもつらくなってきた気がする」
そんな方のために、肩こりの重症度を簡単にチェックできるリストをご用意しました。
当てはまるものに「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
- 肩や首の痛みが、一日に何度も気になることがある
はい or いいえ
- 肩や首のつらさで、仕事や家事に集中できない日がある
はい or いいえ
- 週に3回以上、肩こりの症状を感じている
はい or いいえ
- 肩こりが原因で、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりする
はい or いいえ
- 肩こりと一緒に、頭痛やめまいを感じることがある
はい or いいえ
- 肩こりがひどくなると、吐き気を感じることがある
はい or いいえ
- 腕や手に、しびれや違和感が出ることがある
はい or いいえ
- マッサージやストレッチをしても、あまり改善しない
はい or いいえ
- 肩こりの緩和のために、薬を使うことが増えてきた
はい or いいえ
- 長時間座っていると、肩や首の痛みが強くなる
はい or いいえ
結果を見てみましょう
はいが5個以上だった方
肩こりが中等度〜重度の状態かもしれません。
日常生活にも影響が出始めている可能性があるため、無理をせず早めに医療機関で相談することをおすすめします。
はいが3〜4個だった方
肩こりが軽度〜中等度の段階です。
今のうちからストレッチや姿勢の見直しなど、セルフケアに取り組むことで、悪化を防ぐことができるかもしれません。
はいが1〜2個以下だった方
現時点では比較的軽い肩こりといえそうです。
これからも定期的な運動やリフレッシュを意識して、肩や首に負担をかけすぎないようにしていきましょう。
つらい肩こり、今すぐできるセルフケアで少しでもラクに
首・肩まわりをほぐすストレッチ
首から背中にかけて広がる「僧帽筋」は、肩こりの原因になりやすい代表的な筋肉です。
デスクワークやスマホ操作が続くと、固まりやすくなるので、こまめに伸ばしてあげることが大切です。
首の側面を伸ばすストレッチ(僧帽筋の緩和)
① 片手を背中に回し、もう一方の手で頭をゆっくりと横に倒します。
② 倒した方向と反対側の首筋がじんわり伸びているのを感じながら、20秒キープ。
③ 左右交互に2〜3セット行いましょう。
首の後ろを緩めるストレッチ
後頭部を伸ばすストレッチ(頭板状筋の緩和)
「頭板状筋」は首の後ろにある筋肉で、緊張が続くとズーンとした重だるさや頭痛の原因にもなります。
① 背筋を伸ばし、頭の後ろで両手を組みます。
② ゆっくり前に引き、首の後ろが気持ちよく伸びるところで止めます。
③ 10秒キープを2〜3回繰り返しましょう。
猫背や巻き肩が気になる方に:胸のストレッチ
胸を開くストレッチ(大胸筋の緩和)
「大胸筋」は胸の前面にある筋肉で、猫背や巻き肩と深く関係しています。
長時間の前かがみ姿勢が続いたときに取り入れると、姿勢改善にも効果的です。
① 両腕を肩の高さで横に伸ばします。
② 胸を開くように意識しながら、腕を後ろに引きます。
③ 胸が広がる感覚を意識しながら、20~30秒キープしましょう。
肩甲骨まわりをゆるめて姿勢を整える
肩甲骨まわりのストレッチ(菱形筋の緩和)
「菱形筋」は肩甲骨を引き寄せる働きを持ち、姿勢の維持に大きな役割を果たしています。
特にデスクワークが多い方は、ここのこわばりをほぐしてあげると、肩まわりがラクになります。
① 両手を胸の前で組み、腕を前に伸ばします。
② 背中を丸めるようにして、肩甲骨を左右に広げる意識を持ちましょう。
③ 肩甲骨の内側がじんわり伸びるのを感じながら、30秒キープ。
肩こりに効くツボ押し3選
ご自宅や職場でも手軽にできる、肩こり緩和におすすめのツボを3つご紹介します。
手の甲のツボ(合谷 ごうこく)
親指と人差し指の骨が交差する部分にあるツボで、頭痛や肩こり、目の疲れにもよく効くとされています。
親指でゆっくりと3~5回押してみましょう。
小指の付け根のツボ(後渓 こうけい)
握りこぶしを作ったとき、小指の下にできるシワの先端部分にあるツボです。
道具などを使い、やや強めに3~5回押して刺激してみてください。
腕のツボ(手三里 てさんり)
肘のシワから指3本分下がった位置にあるツボです。
肩まわりの緊張を和らげる効果があり、5秒ほど押すことを3~5回ほど繰り返すと良いでしょう。
「ただの肩こり」と思わずに。受診が必要なサインとは?
肩こりは誰もが一度は経験するような、身近な不調のひとつです。
しかし、なかには「肩こりに似た症状」が重大な病気の初期サインとなっていることもあります。
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関にご相談ください。
こんな症状があれば、すぐに受診を
めまいや吐き気を伴う肩こり
脳の異常や、自律神経の乱れなどが関与している可能性があります。
首が動かしづらく、動かすと痛みが出る
頸椎症や椎間板ヘルニアなど、首の骨や神経に関連する疾患が疑われます。
顔・腕・足にしびれや感覚の異常がある
神経の圧迫、または血流障害の可能性があります。
視覚に異常がある(物が二重に見える、視野が欠けるなど)
脳や視神経にかかわる病気のサインの可能性があります。
手に力が入らない、ものを持ちにくい
頸椎や神経、筋肉疾患による運動機能の低下が考えられます。
熱を伴う肩の痛み
関節や筋肉の炎症、感染症、リウマチなどが関与している場合があります。
首にしこりや腫れがある
リンパ節の腫れや、甲状腺の病気などが隠れていることもあります。
どの診療科を受診すればいい?
- 肩や関節・筋肉に違和感がある場合:整形外科
- 内臓や神経、血流などが関係していそうな場合:内科・神経内科・循環器内科
なかしま内科循環器・整形外科クリニック(西宮院)では、
整形外科・内科・循環器内科の診療に対応しており、
「どこに相談すればいいかわからない肩こり」のご相談も多数お受けしています。
不安な症状がある方も、安心してご来院ください。
おわりに
「肩こりくらいで病院に行くのは大げさかな…」と思っていたら、
実は別の病気が隠れていた、というケースも少なくありません。
つらさを我慢せず、早めに相談することが、ご自身の体を守る第一歩です。
気になる症状がある方は、お気軽に当院までご相談ください。