小児整形外科とは
小児整形外科は、成長途中にあるお子さんの骨・関節・筋肉のトラブルを専門的に診る分野です。
お子さんの骨は大人と違って、骨の端に成長板(骨端線)という柔らかい部分があり、身長の伸びや骨の発達にとても大切な役割を果たしています。
ですので、同じ「痛み」や「ケガ」でも、大人と同じように考えてしまうと、見落としたり将来に影響が出たりすることがあります。
お子さんを単なる「小さな大人」として扱うのではなく、年齢・成長の段階・運動量などを考えた診察が大切になります。
当院では、整形外科専門医としての知識はもちろん、内科や循環器も含めた全身の状態を見ながら、お子さん一人ひとりに合わせた診療を心がけています。
「この程度で病院に行ってもいいのかな…」と迷われる段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
小児整形外科を受診する目安
お子さんの痛みや動きの変化は、外から見ただけではわかりにくいことも多く、「様子を見ていいのかな」「すぐ受診したほうがいいのかな」と迷われる親御さんも少なくありません。
以下に、小児整形外科を受診する目安をまとめました。
すぐに受診をおすすめする症状
- 強い痛みがあって、体重をかけられない・動かせない
- 明らかに腫れている、変形している、熱を持っている
- 転んだりぶつけたりした後から、痛みが強くなっている
- 夜中に痛みで目が覚めてしまう
- しびれや感覚がおかしい
早めの受診(数日以内)をおすすめする症状
- 痛みが数日以上ずっと続いている
- 動かしにくそう、左右で動きが違う
- 歩き方や姿勢がいつもと違う
- 運動や部活で痛みが繰り返し出る
- 学校の検診で何か指摘された
しばらく様子を見てもよいけれど、受診も考えたいケース
- 一時的な痛みだけど、何度も繰り返している
- 成長期に入って、急に運動量が増えた
- 親御さんが「なんだかいつもと違うな」と感じる
※判断に迷ったときは、「様子を見よう」と長引かせるよりも、早めにご相談いただくことをおすすめします。
小児整形外科でよくみられる症状・疾患
お子さんの整形外科的なトラブルは、「痛み」だけでなく、動き・姿勢・歩き方の変化として現れることもよくあります。ここでは、小児整形外科でよくみられる症状と、代表的な疾患についてご紹介します。
足・歩き方に関するお悩み
- 内股・外股が気になる
- 扁平足ではないか心配
- 歩き方が左右で違う、つまずきやすい
成長の過程では一時的な変化もありますが、左右差が強い場合や年齢に見合わない歩き方の場合は、しっかり評価が必要です。
股関節・発育に関する症状
- 足の開きが悪い
- おむつ替えのときに左右差を感じる
- 股関節の動きが硬い
乳幼児期にみられる発育性股関節形成不全(股関節脱臼)は、早期発見・早期対応がとても大切です。
背中・姿勢の異常
- 肩の高さが左右で違う
- 背中が曲がって見える
- 学校の検診で指摘された
脊柱側弯症は成長期に進行することがあり、経過観察が必要なケースもあります。
肘・膝のトラブル
-
急に腕を動かさなくなった
→ 肘内障が疑われます -
膝の痛みが続く、運動時に引っかかる感じがある
→ 半月板損傷(円板状半月板など)の可能性
成長期特有の痛みとスポーツ障害
成長期のお子さんは、骨の成長と運動の負荷のバランスが崩れやすく、特有の痛みや障害が起こることがあります。「成長痛だから様子を見ていれば大丈夫」と思われがちですが、中にはしっかり評価や治療が必要なケースもあります。
成長期に多い痛み
- 膝の前が痛い(オスグッド病)
- かかとが痛い(シーバー病/踵骨骨端症)
- 運動の後に痛みが強くなる
これらは成長板への負担が原因となることが多く、無理を続けると長引く可能性があります。
スポーツ障害の特徴
- 部活動や習い事で運動量が急に増えた
- 同じ動作を繰り返す競技(サッカー・野球・バスケなど)
- 痛みを我慢して運動を続けている
痛みの部位や動きの癖をしっかり評価して、適切な休養・リハビリ・フォーム指導を行うことで、早めの競技復帰を目指します。
「休ませるだけ」で終わらせない診療
当院では、ただ運動を中止するだけでなく、
- 痛みの原因をしっかり評価
- 成長の段階に応じた運動制限
- 再発予防を意識した指導
を行い、安全にスポーツを続けられること、そして再発を防ぐことを大切にしています。
診察・治療の流れ
小児整形外科の診察では、痛いところだけでなく、成長の段階・生活環境・運動量まで含めて評価することが大切です。当院では、お子さんと親御さんが安心して受診できるよう、丁寧な診療を心がけています。
1問診
症状が出た時期やきっかけ、痛みの程度に加えて、
- 成長の経過
- 日常生活や運動・部活動の様子
- 学校の検診で指摘された内容
などを詳しくお伺いします。
2診察
見た目や触診に加えて、
- 関節の動き
- 歩き方や姿勢
- 左右差や痛みが出る動作
を確認し、成長の段階を踏まえた評価を行います。
3検査(必要に応じて)
症状に応じて、レントゲン検査などを行い、骨や関節の状態を確認します。
不要な検査は行わず、必要最小限での評価を心がけています。
4治療治療あ治療
多くの場合、まずは保存療法(手術をしない治療)を中心に行います。
- 安静・運動制限
- 固定や装具の使用
- 痛み止めのお薬
- リハビリ・生活指導
手術や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携している医療機関へ速やかにご紹介します。
当院が小児整形外科で選ばれる理由
循環器内科×整形外科、両方を診られる院長による診療
当院の院長は、循環器内科と整形外科の両方を専門とする医師です。
成長期特有の骨や関節の特徴を踏まえた診察はもちろん、お子さんの全身状態や既往歴(心臓や呼吸器の病気など)も考慮しながら、総合的に診ることができます。
「様子を見ていて大丈夫か」「詳しい検査が必要か」を適切に判断し、安心・安全な医療をご提供します。
お子さんが怖がらないような配慮
初めての受診でも安心できるよう、声かけや説明の仕方を工夫しています。
無理な診察は行わず、お子さんのペースを大切にします。
必要に応じた専門医療機関との連携
詳しい検査や高度な治療が必要な場合には、近くの基幹病院と連携して、スムーズにご紹介します。
「この先どうなるんだろう」という不安を残さないようにしています。
よくあるご質問(FAQ)
子どもが「足が痛い」と言っています。様子を見ても大丈夫ですか?
一時的な疲れのこともありますが、痛みが数日続く・何度も繰り返す・歩き方が変わってきた、という場合は受診をおすすめします。成長期は骨や関節に負担がかかりやすく、早めに原因を確認することで悪化を防げることがあります。
歩き方がおかしい、足を引きずっている感じがあります。
成長の過程での一時的な変化のこともありますが、左右差がある・痛みを伴う・だんだん悪化している場合は注意が必要です。股関節や足のトラブルが隠れていることもありますので、一度ご相談ください。
学校の検診で「側弯症の疑い」と言われました。すぐ受診すべきですか?
はい、早めの受診をおすすめします。脊柱側弯症は成長期に進行することがあるため、早めの評価がとても大切です。必ずしも治療が必要とは限りませんが、経過観察が必要かどうかを判断するためにも、受診していただくことをおすすめします。
転んだ後から腕や足を動かしたがりません。骨折でしょうか?
骨折以外にも、関節のズレや靭帯を痛めていることが原因のこともあります。腫れや変形がなくても、動かさない状態が続く場合は、早めに整形外科で診てもらうと安心です。
腫れていないのに痛がっています。レントゲンは必要ですか?
腫れがなくても、骨や成長板に負担がかかっている場合があります。診察した上で、必要な場合のみ検査を行いますので、まずはお気軽にご相談ください。
成長痛って言われましたが、本当に病院に行かなくていいのでしょうか?
成長痛と呼ばれる痛みの中にも、治療や運動の調整が必要なケースがあります。夜中の痛みが強い、運動すると悪化する、片側だけ痛い、という場合は、一度整形外科で診てもらうと安心です。
スポーツの後に膝やかかとが痛いと言います。休ませるだけで大丈夫?
成長期のスポーツでは、オスグッド病やシーバー病などが起こることがあります。適切な休み方やリハビリを行うことで、長く休まなくて済む場合もあります。早めの受診をおすすめします。
子どもが急に腕を使わなくなりました。様子を見ていれば治りますか?
乳幼児では肘内障の可能性があります。自然に治ることは少なく、整復(元に戻すこと)が必要です。早めに受診することで、短い時間で良くなるケースが多くあります。
監修者プロフィール
院長 中嶋 哲史(Tetsufumi Nakashima)

内科・循環器・整形外科の幅広い診療経験をもとに、地域に根ざした医療を提供しています。
診療分野
- 整形外科
- 関節リウマチ
- 循環器内科
- 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)
所属学会・資格
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本循環器学会 循環器専門医
- 日本整形外科学会 整形外科専門医
監修医療機関
なかしま内科循環器・整形外科クリニック(西宮院)
内科・循環器内科・整形外科を中心に、地域に根ざした医療を提供しています。
最終更新日:



