息苦しい・酸素が足りない
感じがする方へ
「息が吸い切れない」「深呼吸しても空気が入ってこない」「酸素が足りない感じがする」――。
このような息苦しさは、日常生活に大きな不安をもたらす症状です。疲れやストレスで一時的に起こることもありますが、呼吸器や心臓の病気など、身体の異常が背景にあることもあります。
息苦しさが急に現れた、繰り返す、以前より強くなってきた場合は、早めに原因を確認することが大切です。
先に結論
「今すぐ受診すべきサイン」
息苦しさに加えて、強い胸の痛み/冷や汗/唇が紫っぽい/意識が遠のく感じがある場合は、緊急性の高い状態の可能性があります。
このようなときは、ためらわず救急要請を検討してください。
一方で、症状が軽くても数日〜1週間程度続く場合は、外来での評価が役立ちます。
息苦しい
(酸素が足りない感じ)が
起こる主な原因
「酸素が足りない感じ」は、実際に酸素を取り込みにくくなっている場合だけでなく、血液の巡りや自律神経の影響などで“足りないように感じる”場合もあります。
原因は大きく分けて、①肺などの呼吸器、②心臓、③ストレスなど心身の影響が関係します。
ここでは代表的なものを整理します。
肺(呼吸器)が原因で
「酸素を取り込みにくい」場合
気管支喘息
気道が炎症で狭くなり、息を吐きにくくなる病気です。発作が起きると、息がしづらい・胸が苦しいと感じやすく、安静にしていても悪化することがあります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
喫煙などの影響で肺の機能が低下し、息切れが起こりやすくなります。特に動いたときに「空気が足りない感じ」が強くなり、日常生活に影響することがあります。
肺炎
肺に炎症が起こり、酸素交換がうまくいかなくなることで息苦しさが出ます。発熱や咳、全身のだるさを伴うこともあります。
気胸
肺に穴が開き、肺がしぼんでしまう病気です。突然の息苦しさが出やすく、胸の痛みを伴うことがあります。急に悪化することがあるため注意が必要です。
心臓が原因で「全身に酸素を届けにくい」場合
心不全
心臓のポンプ機能が低下し、血液がうまく循環しない状態です。横になると息苦しさが強まる、夜間に息苦しくて目が覚めるなどの症状がみられることがあります。
心房細動などの不整脈
脈が不規則になることで心臓の効率が落ち、息切れや「酸素が足りない感じ」として現れることがあります。動悸や疲れやすさを伴う場合もあります。
ストレスなどで「酸素が足りないように感じる」場合
心身症・過換気(過呼吸)
強い不安や緊張が続くと呼吸が浅く速くなり、息がしづらい・空気が足りない感じが出ることがあります。手足のしびれやめまいを伴うこともあります。
ただし、「ストレスのせい」と決めつける前に、呼吸器や心臓など身体の原因がないかを確認することが大切です。
息苦しさに「痛み」を伴う
ときに考えたいこと
息苦しさに加えて、胸・背中・肩甲骨まわりの痛みを感じる場合は、 単なる疲労やストレスではなく、身体の中で何らかの異常が起きている可能性があります。 特に呼吸や体の動きで痛みが強くなる場合は、原因の見極めが重要です。
呼吸器が原因となるケース
肺や胸膜に炎症やトラブルが起こると、息をする動作そのものが負担となり、 息苦しさと痛みが同時に現れることがあります。
肺炎
肺に炎症が起こることで酸素の取り込みが低下し、息苦しさを感じます。 発熱・咳・全身のだるさを伴い、深呼吸や咳で胸や背中が痛むことがあります。
胸膜炎
肺を包む胸膜が炎症を起こすと、呼吸のたびに鋭い痛みが出ます。 背中や脇に痛みが放散し、息を吸うのがつらいと感じやすいのが特徴です。
気胸
肺に穴が開き、肺がしぼんでしまう状態です。 突然の息苦しさと胸・背中の強い痛みが特徴で、若い方でも起こります。 緊急対応が必要になることがあります。
心臓が原因となるケース
心臓の病気でも、息苦しさとともに痛みが現れることがあります。 胸だけでなく、背中や左肩、あごに違和感として出ることもあります。
狭心症・心筋梗塞
心臓の血流が不足すると、息苦しさに加えて締めつけられるような痛みが出ることがあります。 安静で治まる場合もありますが、強い痛みが続く・悪化する場合は緊急性が高いため注意が必要です。
筋肉・骨格が原因となるケース
内臓に異常がなくても、筋肉や背骨のトラブルによって 「息をすると痛い」「息が浅くなる」と感じることがあります。
筋肉の緊張・筋膜炎
長時間のデスクワークや姿勢不良、ストレスにより、 胸や背中の筋肉が緊張すると、呼吸時に違和感や息苦しさを感じることがあります。
椎間板ヘルニアなど
背骨の神経が刺激されると、胸や背中に痛みが出ることがあります。 体を動かしたときや呼吸で痛みが増す場合は、整形外科的な評価が必要です。
息苦しさが続くときは、
早めの評価が安心です
息苦しさや「酸素が足りない感じ」は、身体からの重要なサインです。
一時的な疲れと思っていても、数日以上続く・繰り返す・少しずつ悪化している場合は、 原因を確認することで安心につながります。当院では、問診や検査を通じて、 外来で経過をみられる状態か、専門的・緊急対応が必要かを丁寧に判断します。
「受診するほどではないかも…」と迷う段階こそ、ご相談ください。
息苦しさを自己判断で放置せず、 不安がある場合は早めに医療機関へご相談いただくことが大切です。
監修者プロフィール
院長 中嶋 哲史(Tetsufumi Nakashima)

内科・循環器・整形外科の幅広い診療経験をもとに、地域に根ざした医療を提供しています。
診療分野
- 整形外科
- 関節リウマチ
- 循環器内科
- 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)
所属学会・資格
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本循環器学会 循環器専門医
- 日本整形外科学会 整形外科専門医
監修医療機関
なかしま内科循環器・整形外科クリニック(西宮院)
内科・循環器内科・整形外科を中心に、地域に根ざした医療を提供しています。
最終更新日:



